薄暗い部屋の中でも、手持ちでキレイな写真が撮りたいという欲望が増してきて、昨年フルサイズのミラーレス一眼”SONY α7Ⅲ”を買っちゃったんですよ。
結果的に満足しているものの、どうしても心残りに感じていることはフラッシュがないこと。趣味用品の物撮りなんかしていると、もう少し明るさが欲しい!というときに外光や部屋の照明だけでは物足りないんですよね。
外部フラッシュまでは不要だけど、近距離撮影用のLEDライトは絶対欲しい!と物欲が暴発し、AmazonとAliexpressで品定め。
候補となる基準として考えたのは、基本的機能と言える色温度調整と調光機能、この2つを兼ね備えつつ、失敗しても痛手にはならない予算4,000円までのライトに絞っていった。
最終的に候補に残ったライトは2つ。比較的幅広いライトやカメラ用品をラインナップしているNeewer製かVILTROX製のLEDビデオライトに絞られた。どちらもいわゆる中国製だ。
最大の特徴は、本体に5,000mAhのバッテリを内蔵したことで、外部電源や外付けバッテリが不要な点。とても手軽・簡単に扱えるところだ。
このサイズのLEDライトは、カメラバッテリを装着するものがほとんどだ。しかし、このライトは充電式で使う。さらに充電はUSB Type-Cだ。Micro USBではないのが有り難い。
中華製は好んで買う方タイプではないが、進化の遅い日本製だとこうはいかないだろう。くわえて、USB電源出力も兼ね備えていおり、モバイルバッテリとしても利用可能。どの場面で使えるかわからないが、災害時にスマホの充電ができる選択肢としては良いかもしれない。
LEDライトビデオライト&モバイルバッテリの機能を兼ね揃えているのに、3,000円という安さに驚きだ。 バッテリが入っているので突然燃えたりしないか、心配になるレベルである。
先に紹介したNeewer製と姿かたちもそっくりなLEDライトであるが、外付けのカメラ用バッテリ、もしくはDC電源アダプタで稼働するのが特徴だ。もちろん、どちらも別売りだ。
Neewerのものに比べると、USBの給電/給電ポートやバッテリが備わっていない分、全体的に作りがコンパクトだ。しかし、ライトを使いたいときにバッテリを装着する想像をしただけでも面倒になる。内蔵バッテリがない点は安全上の安心感はあるが、カメラ用バッテリをもう1つ用意するのはコストが掛かる。
カメラ用バッテリはソニー製のリチウム電池 NP-F550 / F750 / F960シリーズに対応、というが持っていない。互換品を買うとしても充電器と合わせて4,000円ほど掛かりそう。LEDライトと合わせて7,000円以上の出費は厳しい。
追加で補足すると、両者とも光量をはじめとするライトとしての性能や、付属品に大きな違いはない。こうなると、コスパの高いNeewer ZC-12Bの一択だった。前置きが長くなってしまったが、こちらのライトを購入したのでレビューへ移る。
同梱品は極めてシンプルだ。LEDライトと充電用のUSBケーブル、カメラのホットシューにライトを取り付けるためのマウンタの3点だ。筐体にバリと思われるプラスチックくずが残っていたり、全体的に仕上げが荒っぽい感じはしたが、破損はないようだ。
開封してから、すぐに電源を入れてみたのだが、うんともすんとも言わず。不安ながらに充電してみると、充電中を示す青色のインジゲーターが点滅し、20分程充電させたところで電源を入れることができた。電池が完全に空の状態だったようだ。
LEDライトの電源や操作部はすべて背面にある。電源のON/OFFと輝度調整は右側のツマミで行う。左側のツマミは色温度の調整だ。輝度は10~100%の間で1%刻みで調節できる。色温度は3200-5600Kの間で100K刻みだ。
動作テストをしていると、5500Kと5600Kの間に暖色から寒色の段差のような色温度の異常が見られた。このライトはオレンジ色と白色から成る2種類のLEDで色温度が調整される。5600Kになると、オレンジ色のLEDが消えるため、一気に寒色寄りに切り替わるため、色が急変する。
素人目で見ても、明らかに変な挙動だと分かる程であるが、そもそも値段は3,000円。色温度の精度を求めているわけではない。趣味のライトなどこの程度で十分だ。NEEWERのラベルもなぜかボロっちいが、剥がれたところで困らないだろう笑。
輝度調整による明るさの違い
このLEDライトがどれほど明るくなるのか、輝度を10~90%に変化させた様子を撮影してみた。
広範囲に亘って輝度を調整できるので、物撮り用の照明と割り切れば必要十分な明かりを得られる。ただ、撮影対象物から2m以上離れると、ライトの光量が足りない印象がある。用途によっては注意が必要だ。
あくまで近距離での物撮りやビデオライト用途としては便利なライトだ。
LEDライトを用いた実写
近くにいたプラレールのきかんしゃトーマスに撮影モデルを依頼した。きちんと上目遣いをしてきて、撮影にこなれているようだ。
この写真を見て心の底からLEDライト最高!と思えた。人生で一番満足のいく物撮り写真だったからだ。モデルがトーマスというのがもったいないくらいだ。
3枚目の写真はLEDライトのおかげで、薄暗い室内にも関わらずシャッタースピード1/30秒、ISO125で撮影できた。比較写真のために今回は三脚を使用しているが、手持ちでも撮影可能なほど、ライトにより光量が稼げている。
いちいち三脚をリビングで広げるのは面倒だったので、手持ちでも撮れるという効果は非常に嬉しい。一般的な物撮りであれば、このライトの設定を色温度5600K・輝度100%にして使用すれば、ベストコンディションで撮影できるだろう。
電池持ちはというと、60分程度撮影を行ったがバッテリが切れたり、明るさが不安定になることはなかった。液晶のバッテリ残量表示も信憑性に掛けるが、50%程度の消費に留まっていた。
なお、このライトは充電しながら使うことも一応できるが、消費電力に充電が間に合っておらず電源が切れてしまった。そのため、バッテリの残量が空になってしまうと、しばらくの間(20分以上は)充電しないとライトを使用できない。この点に限っては内蔵式バッテリは不便である。
3,000円で5,000mAhのバッテリ内蔵したLEDライトという中華製品の価格破壊とも言える製品であった。細部の仕上げは若干荒いものの、性能やモノの作り自体は問題なく、期待していた通りに使用できた。
仮に外部電源必須のVILTROX製のライトを買っていたとすると、ケーブルの取り回しとかイライラさせられていただろう。こちらのNeewer製の選択は間違っていなかったと確信している。
3,000円という価格でここまでの性能と機能を有しているのは衝撃とも言える。また一つ中華製品の魅力、というよりも恐ろしさに取り憑かれてしまった。
おまけ