説明書どおり、座面と足場の高さを合わせた後、まずはイスを使った直感を子どもに聞いてようと思い、シンプルな質問を投げかけてみた。
新しい椅子はどう?
とっても気持ちいい。
ほら見て、このイス、こうやって登れるんだよ~
やっぱり、クッション付きで良かったな。
足置きを使って自分で椅子に座れて、前よりも椅子が好きになったみたいだし、何よりも手が掛からなくて親も楽だわ。
お絵かきはやりやすい?
うん。いっぱい描ける
ご飯を食べるときは、前の椅子とどっちが食べやすい?
こっちのイス。ちっくんできる(フォークが使いやすい)から
と、子どもには好評な様子。
キッズ用の椅子を購入するきっかけとなった、ご飯を食べる事に集中しない欠点も、少しずつ改善されている。何よりも椅子から降りて脱走することが無くなった(笑)。彼女なりに真剣に食べ物と向き合っているようだ。
子どもと話していて感じたのは、「子どものイスの高さは大人が思っている以上に大切で、きちんと体の大きさに合ったイスを選んであげないと」と、しみじみ痛感した。今まで無理させてごめんよ。
大人の椅子よりも一回り大きく、座面や背もたれ、足置きは3歳児でも余裕のある大きさで、大人が座っても窮屈さを感じない。
色味はオイル仕上げを選択して非常に満足している。ダイニングテーブル、イスともブラックチェリー材だが、程よくアップライトの色味とマッチしている。オイル塗装でなければ、もう少し明るめの色味になるので、浮いた存在になったかもしれない。
そして、一番惚れた、横から見たときの椅子の美しさ。他のハイチェアでは必ずある、目障りなネジ穴が一つもない。これも組み立て済みでしか納品できない椅子の醍醐味だ。
もちろん、この椅子のウリ文句でもある「子どもの姿勢」もとても美しくなった。自然にきれいな姿勢が保てるこの椅子に、ワタシも子供の頃出会っていればよかったと、羨ましくも思う。
この調整刻みの多さを見て分かると思うが、アップライトは他の椅子に比べて格段に高さ調節ができる。座面は14段階/12mm刻み、足置きは16段階/15mm刻みというこだわりの強さだ。
姿勢よく椅子に座ってもらうためのこだわりが至るところに散りばめられている。
座面や足置きの高さ調整は、このハンドルで行う。工具は不要だし、気になったときにサッと高さを調節できる優れもの。購入前はちょっとダサいかと思っていたのだけど、実際は目につきにくい高さなので、そんなに気にならなかった。
ちょっと困ったのが、この調整部分にご飯の食べかすが結構たまること。これはどのハイチェアにも当てはまる事だと思うが、ネジを外して簡単にお手入れできるのも、このハンドルネジの魅力ではないか。
座面カバーはマジックテープで固定されているだけなので、簡単に取り外して洗濯できる。このマジックテープは椅子のカバーにしてはかなり多めで固定されていて、座っていてもずれないし、子どもが遊んで取り外すことはない。(写真は撮影中に遊びにきた息子)
さて、このプロダクトで唯一気になったのが、アップライトのロゴが中央を取っていないことだ。中央よりも若干右寄りになっているのはなぜだろうか。正直なところ、こんなに目立つロゴでなくても良いと思う。
この脚の裏面には2種類のフェルトが貼り付けられていて、フローリングでの移動もスムーズだ。
アップライトの重さは8.1kgと、ハイチェアの中でも重い部類だが、このフェルトのおかげで椅子を移動したときでも「スゥーっ」と音が鳴るくらいだ。
ハイチェアあるあるだが、見た目よりも脚の部分が少し出っ張っているので、たまに脚のカドに小指をぶつける。気をつけていても、忘れた頃にぶつかる。
キッズ用椅子としては5万円という値段の張る椅子ではあるものの、「椅子に座ることの楽しさと美しさ」を細部までこだわり抜いた一品だと感じた。
もちろん、人気No.1のトリップトラップも良い椅子だが、世界にはもっと楽しい椅子がある。このアップライトも世界中の子どもたちに愛されるようになって欲しい。