FLEXISPOTとオーダー天板で理想のPCデスクを手に入れる

FLEXISPOTという電動式の昇降デスクフレームとオーダーメイド天板を用いて、理想サイズのPCデスクを手に入れることができた。

市販品より高級感あるPCデスクを安価にDIYできるが、手軽に作れるワケではない。FLEXISPOTの良いとこ悪いとこ含め紹介する。

市販のデスクでは満足できなかったワケ

みなさん(でかい)パソコンはどこで使っているだろうか。

私は、学生の頃からローテーブルの上にディスプレイを置いた、もっぱら地べた族だった。

ところが、最近は在宅ワークが基本となり、地べたで8時間以上のデスクワークをすると「膝が痛い・腰が痛い・肩が痛い」の3連複。会社に当然の如く重鎮するデスクの有り難さを痛感することになった。

旧PCデスク。IKEAのコーヒーテーブル
旧PCデスク。IKEAのコーヒーテーブルに座布団を敷いて頑張ってきた

PCデスクを買おうとパッと思いつく、ニトリ/IKEA/無印良品を一通りまわってみたのだが、自分が思う理想のデスクに出会えなかった。

原因はわかっている。PC用のデスクということもあり、PCと同様に理想とこだわりが強いからだ。

デスクサイズの前提として、PCのディスプレイサイズが27インチと大型なこともあり、ディスプレイと体は適度に距離を置きたい。そうなると机の奥行きが重要なポイントとなる。

希望としては65cm以上の奥行きが欲しいのだが、この奥行きを超えるサイズの机は、必然的に横幅も大きくなってしまい、無駄に大きなテーブルになってしまう

IKEAで見つけたこちらの机は、サイズ感は110x70cmと理想的だったものの、机の下に補強の骨組みがあるため、フルタワーのPCケースをデスク下に収納できず、候補から外れた。

IKEA / KULLABERG クッラベリ / パイン材 /110x70 cm
IKEA / KULLABERG クッラベリ / 110×70 cm
出典:ikea.com

AmazonではBauhutte(バウヒュッテ)のゲーミングデスクが幅を利かせているが、奥行きが小さい点と黒一色というのは好みではなく、天板はIKEAのクッラベリのように木材がいいなと考えていたので、これも候補ではなかった。

省スペースかつ奥行きが大きく、かつ天板は明るめの木材の机を求めて、サイズオーダーも考えたのだが値段も張るので、結局はDIYの選択肢を取ることにした。

FLEXISPOTの電動式昇降デスクという選択肢

机をDIYしようと思ったきっかけは、ネットでFLEXISPOTの電動式昇降デスクフレームを見つけたからだ。海外のAmazonを含めても評判がよく、価格も2万円台と電動式の割にはお手頃である。

FLEXISPOT 電動式スタンディングデスクEC1/EN1
FLEXISPOT 電動式スタンディングデスクEC1/EN1
出典:Amazon.co.jp

スタンディングデスク 電動式 昇降デスク EF1B(天板別売り)
FlexiSpot
スタンディングデスク 電動式 昇降デスク EF1B(天板別売り)
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正直に話すと、電動式昇降デスクは好きではなかった。

フレーム自体が無駄に重いし、脚の高さなんて一度決めてしまえば後は無用の長物だろうと。

だが、実際に店頭で電動式昇降デスクに触れてみると、ミリ単位で机の高さを調節でき、ときには立ち作業も可能な電動式は魅力的な選択肢となってしまった。

そんな最中でのコスパの高いFLEXISPOTのデスクフレームである。この電動式昇降フレームは、上に乗せる天板を自分で用意でき(オプションで最初から付けることも可)、天板サイズも自由度を持ち決めることができる。

上に乗せたい天板サイズによってモデルが異なるが、私は110x70cmの天板を乗せたかったので、最も小さなEC1というモデルにした。

後継モデルのFREXISPOT EG1が発売されています

FLEXISPOT EC1は廃盤となり、2021年7月時点では後継モデルのEG1がラインナップされている。脚とリモコンの一部が変わっているが寸法などの基本仕様は変わっていない。

FLEXISPOTのオーダー天板を何にするか問題

デスクフレームの選択肢は限られるが、フレーム上に固定する天板の選択肢は無限大だ。それこそ、ホームセンターで木板を購入し、自分で塗装することで安く仕上げることもできる。

過去にツーバイフォー材の面取りと塗装仕上げを数本こなしたことがあるが、慣れない作業ということもあり1日がかりだった苦い記憶がある。その反省を活かし今回は加工済みの天板を買うことにした。

サイズオーダーで天板を購入可能な通販サイトは多くあるが、そのなかでも木材の種類が豊富で、かつ加工の自由が利く「ウッディヨネダ」さんで購入することとした。

ウッディヨネダの購入画面の例
購入画面例。価格は明瞭で面取り加工の豊富さと自由度が素晴らしい
出典:woodyyoneda-shop.com

悩みに悩んだオーダー天板の仕様

FLEXISPOTは数分で決めたものの、天板は厄介だった。

木材の種類、サイズ、加工や塗装と選択肢が多すぎるからだ。特に木材なんかは種類一つ違うだけで価格が大幅に変わる。

時間があるのであれば木材サンプルを取り寄せてじっくり吟味したかったが、地べたワークもかなりツラく、そうも言ってられなくなったので、リーズナブルなタモの集成材にした。

ウッディヨネダさんで購入した天板の仕様は次のとおり。
FLEXISPOTは天板の厚さは20mm以上とする必要があるので注意して欲しい。

木材タモ(集成材)
サイズ厚さ:30 mm
長さ:1100 mm
幅 :700 mm
面取り加工A:カウンターA面
B~D:上角面 + 下糸面
塗装オイル塗装 裏面塗りなし
購入した天板の仕様

本当は無垢材にしたかったのだが、そうなると天板だけで4万円となる。予算的に厳しいので安価な集成材にした。天板にかかった費用は加工費・送料込で25,000円である。

実際に届いたタモ材の天板を見て

注文から2週間程度待ったのち、ようやく天板が届いた。梱包も丁寧で概ね満足。こちらが実際に届いたものだ。

表面のみオイル塗装仕上げにしたので表裏で色味が異なるが、比べてみると、オイル塗装は色味も木の肌触りも良かった。塗装オプションは値段こそ張るものの、プロ仕上げでムラが無いきれいなオイル塗装は価値があった。

購入したタモ板の表面
購入したタモの集成材(表面:オイル塗装有り)
購入したタモ板の裏面
購入したタモの集成材(裏面:塗装なし)

天板を購入する上で、最もこだわった部分がテーブル手前部分の「カウンター面仕上げ」だ。

側面から見るとわかりやすいが、カウンターテーブルのように逆三角の加工が入り、最も体に当たる手前部分にやわらかな丸みができる。

こだわったカウンター仕上げ
面取りでこだわったカウンター仕上げ

何も加工しない直角な仕上げだと見た目も手触りも「キツい」感じになってしまうが、カウンター面で仕上げた天板は、やわらかい雰囲気で本当に肌触りがよい。

加工には数千円のオプション料が必要だが、お値段以上の加工だと感じた。

FLEXISPOTの組み立て

天板もフレームも揃ったことだし、重い腰をあげてPCデスクを組み立てることとした。

何せ天板とフレームをあわせると35kg近くになる。一人でもなんとかなるかもしれないが、家族の協力があったほうが安全に組み立てられるだろう。組み立てには電動ドライバーが必須なので注意して欲しい。

FLEXISPOT EC1Bの梱包状態
FLEXISPOT EC1Bの外装。見た目とは裏腹に22kgもあるので取り扱いが大変だ

基本的には同梱の取扱説明書に従って組み立てていけば問題なかった。海外メーカーなので取説の日本語が心配だったが、杞憂に終わった。まぁ完璧だ。

ネジやレンチ類は丁寧に小分けされていて気が利く
FLEXISPOTのフレーム組み立て
脚部部分の組み立ての様子。時には不安定な状態で組み立てる必要があり、4畳程度のスペースは欲しい

組み立てがスムーズにいったかというと、そういう訳でもない。まず前半では上の画像のように不安定な状態での組み立て工程が続く。部材を倒すと一大事なので慎重に組み立てられる部屋の広さが必要だ。

さらに取説通りに組み立てると、あきらかに先が詰まる部分がある。それがこちらのバッフル板の取り付けだ。バッフル板は画像中央のシャフトがむき出しにならないよう、目隠し板の役割を果たすものだ。

順序を誤ったバッフル板
バッフル板によって死んでしまった天板固定用のネジ穴

取説に沿ってバッフル板を先に取り付けてしまうと、フレームと天板を固定するためのネジ穴が塞がれてしまう。天板を固定する前に気づいたのでよかったが…。

取説によるバッフル板取り付け順序
取説だとバッフル板の組み立てが先の手順のように思えるが、こうすると天板を固定できなくなる

「天板の組立 → バッフル板の組立 → アダプターの組立」が正しい順序だ。

この取説にあるステップ5の書き方は十中八九、手順を間違えるのではないか。と文句を言っても、ハマった箇所はここぐらいで、あとはスムーズに手順をこなせた。

FLEXISPOTへ天板を取り付ける
電動ドライバーで天板を固定。慎重に位置決めを行った
年に1回程度しか使う機会がないものの、持っててよかったブラックアンドデッカー

18Vリチウム マルチツールベーシック
ブラックアンドデッカー
18Vリチウム マルチツールベーシック
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最後に電動ドライバーでフレームと天板を固定して終了だ。ここでも一つやらかしてしまったのだが、昇降用のリモコンケーブルの配線捕縛は天板固定前に行っておかないと、後々面倒なことになる。

FLEXISPOTへの天板取り付け後
天板を取付した後。昇降リモコンのケーブル取り回しはインシュロックで固定した

この後テーブルを反転させる必要があるが、35kgの大型家具を一人で起こして移動させるのはかなり危険だ。この場面のみ家族の協力を仰いだ。

ケーブル取り回しへの配慮

PCデスクということもあり、ケーブルやACアダプター、コンセントタップがスパゲッティ状態になりがちだ。しかも昇降式となると、そのケーブル取り回しには念には念を入れたくなる。

今まではローテーブルだったこともあり、適当にケーブルタイで捕縛していたが、今回は長年付き合う高価なPCデスク。ケーブル配線にも力を入れた。

そのケーブル配線にうってつけだったのが、こちらのサンワサプライ ケーブル配線トレーである。

ケーブル配線トレー_CB-CTERD4
頑丈なつくりのケーブル配線トレー/CB-CTERD4

ケーブルトレー CB-CTERD4
サンワサプライ
ケーブルトレー CB-CTERD4
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この商品は元はサンワサプライ製オフィスデスク専用の配線トレーで、汎用的なトレーではない。ただ少し工夫すれば、天板裏面にサンワサプライのオフィスデスクと同じ位置にネジ穴を設けてしまえば固定可能だ。

天板の縁に固定するタイプの配線トレーより見た目よく設置できるので、こちらのトレーを選んだ。設置方法は長くなるのでこちらの記事を参照されたい。

完成したオリジナルPCデスク

こちらがFLEXISPOTとオーダーメイド天板でDIYしたPCデスクだ。

FLEXISPOTの自動昇降機能も心地よく、スムーズに動作するし音も比較的静かだ。フレームも頑丈で、天板に少し体重を掛けた場合でもぐらつくことはない。

カウンター面の雰囲気がよい

斜め45度からの見た目が一番好きだ。組み立ては面倒だったが、作って良かった!と感じられる。

配線トレーを天板へ設置したこともあり、PCデスク周りの気になる配線の汚さは皆無だ。

配線トレーの長さは53cmあるが、それでも少し窮屈になる

サンワサプライの配線トレーは53cmの幅があるのだが、6個口のコンセントタップやアダプター類を置いたところトレースペースが殆ど埋まってしまった。

いかんせんFLEXISPOTのACアダプターが大きすぎるのが問題だ。FLEXISPOTにはACアダプターをフレーム側に固定する専用金具も付属しているので、こちらを用いたほうがベターだったかもしれない。

FLEXISPOTで少し不満だった点は、デスク高を最も低い位置にした場合でも、一般的な机と比べて若干高めということだ。

ダイニングチェアでは高さが少し足りないのでチェアパッドで調整

一般的なシステムデスクの高さは70cmとなっている場合が多い。一方、FLEXISPOTは天板抜きの状態で高さが71cmもある

私のように厚さ3cmの天板を足せば74cmの高さとなり、普通のダイニングチェアでは不自然と感じる程の高さになる。

この不自然さを解消するには、椅子はチェアパッドで調節するか、高さ調節可能なオフィスチェアを用意する必要があるので注意して欲しい。FLEXISPOTのデスクフレームがあと3~4cm低い設計であればベストだった。

FLEXISPOT自作PCデスクのまとめ

FLEXISPOTでDIYしたデスクで1ヶ月以上過ごしてみたが、それはもう快適だ。

日中はスタンディングで、夜間は座ってゆっくりゲームといった具合で、場面に応じて気軽に机の高さを変えられる電動式昇降デスクをフル活用している。会社のデスクもこの机にしたいくらいだ。

何よりも、自分好みの天板を自由に取り付けられるというDIYならではの良さが一番特徴ではないだろうか。市販のデスクでよく用いられるチープなメラミン化粧板ではない、天然木のデスクが作れるのだからこれを活かさない手はない。

最後に製作にかかった費用と時間をまとめておく。

▼かかった費用

品名価格
FLEXISPOT EC1 ※後継 EG123,000円
天板25,000円
ケーブル配線トレー CB-CTERD44,200円
配線トレー固定具1,500円
合計53,700円

▼かかった時間
天板手配   ・・・2週間
デスク組み立て・・・3時間

スタンディングデスク 電動式 昇降デスク EF1B(天板別売り)
FlexiSpot
スタンディングデスク 電動式 昇降デスク EF1B(天板別売り)
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ケーブルトレー CB-CTERD4
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