【ARK】QNAPのNASを使ったARK個人サーバーの簡単な立て方

アイキャッチです

ARK:Survival Evolved は個人でサーバーを立てて友達同士だけで遊べるのも魅力の一つ。しかし、ARKのサーバーを立てたい!と思い立っても導入のハードルが多く、二の足を踏む人も多いのではないだうか。

ARK個人サーバーを導入するハードル
  • 快適にプレイ可能なスペックのレンタルサーバーは費用が高い
  • そもそもサーバーをセットアップできるか不安
  • 自分のPCサーバーだと、電源を落とすと友人がプレイできないし、セキュリティも心配

そんなとき、ARK個人サーバーとして自宅のNASが使えるんじゃないかと思いついた。

私が愛用しているQNAP製のNAS「TS-251+」は5年前に発売された家庭向けNASであるが、そこそこのスペックがあるし、メイン用途はファイルサーバーなので、マシンパワーを持て余している。もちろん24時間稼働しているので、サーバー条件も申し分ない。

NASへのゲームサーバー導入となると、通常よりもハードルが高いと思われるかもしれないが、ARKサーバーには有志が作成したDocker版が存在する。そして、QNAPのNASはContainer Stationという、GUIの画面上で簡単にDockerを扱える仕組みがある。

通常のLinux版ARKサーバーは、コマンドラインで必要なライブラリをインストールする必要があったり、ポート開放を行ったりと、導入にはそれなりの経験と知識が必要だ。しかし、QNAPならContatiner Stationを用いることで、GUIオンリーで簡単にARKサーバーを導入できた。

あらためて、QNAP製NASの良さを実感できた良い機会だったので、導入方法を紹介する。

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ARKサーバーの必要スペック

公式ARK Wiki[英語]には以下のようにスペックの記述がある。

ARK専用サーバーの必要スペック(翻訳)
  • 64bitのOS(Linux or Windows)であること
  • メモリに6GB以上の空きがあること
    • 接続されているプレイヤーの数が増えるにつれて、メモリの必要量は増えていきます。これは、あなたの設定/modや設定可能なオプションにも依存します。

QNAPの現行NASの多くは、64bitのLinuxベースとなっており、OSの問題はない。しかし、6GBのメモリ空き状態確保が難しいポイントだ

家庭用のNASの場合、メモリは多くても4GBあたりが一般的だからだ。私のQNAP TS-251+はメモリを購入時の2GBから8GBに増設してあるが、システムがすでに占有しているメモリを考慮すると、搭載メモリ8GB以上がギリギリ使えるラインだと感じた。

さて、必要となるCPUスペックに関する記述がないが、実感としてはそこまで高性能なCPUを必要としないようだ。

TS-251+の搭載CPUはIntel Celeron J1900(4core 2.0GHz) で、家庭向けNASとしては割と高性能な部類だ。このCPUの場合、ARKサーバーを稼働させた場合でもCPU使用率が数%上昇しただけだった。仮に2coreのCPUだったとしても問題なく稼働できるだろう。

必要なQNAP NASのスペック
  • 2Core 以上のx86 CPUであること
    • CPUがARMのNASでは動きません
    • Intel もしくは AMDのCPUが載ったNASモデルであればOK
  • 8GB以上のメモリを搭載していること
    1. 家庭向けは搭載メモリ4GBまでのモデルしかない。8GB以上への増設は必須
  • Container Stationに対応したモデルであること
    • 一部の入門モデルだとContainer Stationそのものをインストールできないので注意

QNAP製NASにARKサーバーをインストールする

必要なアプリの準備

QTS(QNAP上のOS)の通常状態ではインストールされていない、次の2つのアプリを用意する必要がある。

必要となるQNAPアプリ
  • Container Station
    • Docker版ARKのインストールや管理を行う
  • myQNAPcloud Link
    • ネットワークのポート開放を行う
    • DDNS(ドメイン名でサーバーを公開する)の設定を行う

アプリのインストールは簡単だ。QNAPの管理画面にログインし、AppCenterから「Container Station」と「myQNAPcloud Link」をインストールするだけだ。

QNAPにContainer StationとmyQNAPcloud Linkをインストールする
QNAPにContainer StationとmyQNAPcloud Linkをインストールする

myQNAPCloudの初期設定

自動ルータ構成とmy DDNSを設定しておく。

myQNAPcloudを設定する
myQNAPCloudで自動ルータ構成とMy DDNSを設定しておく

自動ルーター構成

サーバーの公開に必要なルーターのポート開放を自動で設定してくれる。自動と言っても、UPnPの仕組みを利用しているので、ルーター側でUPnPを有効にしておく必要がある。

この自動ルーター構成機能を用いることで、ルーター設定を手動で変更しなくても、必要なときにNAS側からポート開放ができるのでとても簡単。

my DDNS

自分のARKサーバーにアクセスしてもらうには、自宅のIPアドレスを伝える必要があるが、IPアドレスは固定でなく数日で変わってしまう。

DDNSを設定して、〇〇〇.myqnapcloud.comのようにホスト名で自宅のARKサーバーに接続してもらうように連絡しておけば、IPアドレスが変わろうと関係ない。サーバーの運用がとても楽になる。

Docker版ARKのインストール

Container Stationを開き、全てデフォルトのまま初期設定を済ませる。

その後「作成」タブのイメージ検索ボックスから【ark】と検索する。最もポピュラーな@turzamのDocker版ARKが一番上に出てくるはずだ。

ContainerStationでdocker版arkをインストールする
Container Stationでturzam/arkをインストールする

「インストール」ボタンをクリックすると、コンテナ作成の設定画面が表示される。この画面で「詳細設定」をクリックする。

コンテナ作成の設定画面
コンテナ作成画面が開いたら、「詳細設定」をクリック

コンテナの環境設定

コンテナの環境設定画面が開く。Docker版ARKは、ここでARKサーバーの肝となる設定を行う。

コンテナ作成の環境設定
コンテナの環境設定画面。★印のところはデフォルト設定から変更することをオススメする

▼変更をオススメするARKサーバー設定の一覧

名称
ADMINPASSWORDサーバーの管理者パスワード。管理者コマンドの実行に必要(デフォルト:adminpassword)
NBPLAYERSプレイヤー数の最大値(デフォルト:70人)
SERVERMAPサーバーマップを入力する(デフォルト: TheIsland)
以下はその入力例(カッコ内はマップ名の通称)
TheIsland(The Island)
TheCenter(The Center)
Ragnarok(Ragnarok)
ScorchedEarth_P(Scorched Earth)
Aberration_P(Aberration)
SERVERPASSWORDサーバーに接続する際、パスワードを求める(デフォルトはパスワード無)
ARKの個人サーバーはSteamで世界中に公開されてしまうため、知り合いだけでプレイしたい場合は必ずパスワードを設定する
SESSIONNAMESteamで公開されるサーバー名。公開されるため変なサーバー名は避けよう

ここで、Container Stationの使い勝手として注意しておくべき点がある。コンテナ作成時の「環境」設定だけは、コンテナを一度作成すると画面上で変更することができない。

間違いがないよう、慎重に入力しよう。

コンテナのネットワークポート設定

続いてコンテナのネットワーク設定を行うため、詳細設定メニューの「ネットワーク」を選択する。

ホスト側(NAS)のポートが空白になっているので、同じポートを使用するようコンテナと同じポート番号を入力する。

コンテナ作成のネットワーク設定
コンテナのネットワーク設定で、コンテナ側のポートとホスト側(NAS)のポートを関連付ける

コンテナ作成の実行

これで一通りの設定が完了となる。最後に「作成」ボタンをクリックするとARKサーバーのインストールをはじめとしたコンテナの作成が実行される。

コンテナ作成の実行を行う
コンテナ作成の実行

作成が実行されると、ARKサーバーのダウンロードが始まるためネットワーク使用量のダウンロード側が急激に増える。数十GBの大容量データをダウンロードするので時間がかかる。

コンテナ作成中の画面
ARK Dockerコンテナ作成中のContainer Stationの画面

しばらく待つと、ContainerStationのコンソール画面に変化が起こる。次のように表示され、10分以内にサーバーが立ち上がるようだ。

コンテナ作成中のコンソール表示
ARK Dockerコンテナ作成中のコンソール表示

このとき何が起こっているかと言うと、ARKサーバーのデータがNASのメモリに展開される。そのためメモリ使用量が急激に増大する。

最終的には約6GBのメモリが使用され、NASのメモリ使用率はシステム側のメモリを含め80%近くになる。精神衛生上よろしくはない。

docker版ark起動中のメモリ使用率
Docker版ARK起動中のメモリ使用率の変化

このまま待っていれば、確かにARKサーバーは立ち上がるのだが、私のNAS(TS-251+)では先の案内のように10分で立ち上がらず、20分必要だった。

ちなみに、サーバーが起動したかどうかは、コンソール表示だけでは判断つかない。実は起動した後も「Wating…」のままだ。サーバーの起動状況は、コンテナ内のコンソールにログインすると知ることができる。

コンテナ内のコンソールにログインするには「端末」ボタンをクリックし、コマンドを実行するというフォームに /bin/bash とシェルのパスを入力する。Container Stationのデフォルト通り /bin/sh と入力しても良いが、bashの方が扱いやすい。

dockerコンテナ内でのコンソール起動
Dockerコンテナ内へのコンソールログイン

コンテナへのログインが完了すると、ブラウザ上にコンソール画面が表示される。ここで以下のようにコマンドを入力すると、サーバー起動ステータスを確認できる。

# arkmanager status
Docker版arkの起動ステータス確認
ARKサーバーの起動ステータス確認(起動中の場合)
docker版arkの起動ステータス確認-起動完了後
ARKサーバーの起動ステータス確認(起動後)

Server listenningがYESになれば、ARKサーバーの起動は完了だ。私の場合はServer onlineがNoの表示であったが特に問題なくプレイできた。

ルーターのポート開放を行う

ここまで来ると、自宅PCからはサーバーに接続可能だが、外部からは接続できない。ルーターのポート開放を行うことで外部ネットワークからARKサーバーに接続出来るようになる。

QNAPの管理画面でmyQNAPcloud Linkのアプリを開き、自動ルータ構成を選択。次の画面で「NASサービスを追加する」ボタンをクリックする。

自動ルータ構成(ポート開放)の設定
自動ルータ構成(ポート開放)の設定

サービス編集画面になるので、ARKサーバーの公開に必須となるサーバーポート(UDP:27015)とSteamポート(UDP:7778)を登録する。このDocker版ARKは、Steamポートが一般的なARKサーバーのポート番号(UDP:7777)と異なっているため注意してほしい。

以下の2つのようにサービスを追加する。

自動ルータ構成の設定-ポート開放1
ARKサーバーポート(UDP:27015)を追加
自動ルータ構成の設定-ポート開放2
ARK Steamポート(UDP:7778)を追加

最後に「ルータに適用」をクリックすると、自動的にルータ側にポート開放が反映される。素晴らしく簡単だ。

自動ルータ構成の設定-ポート開放
自動ルータ構成のポート開放設定を反映させる

ARKサーバーへの接続

Steamを開き、左上メニューの「表示」→「サーバー」→「お気に入り」タブを開く。「サーバーを追加」をクリックし、NASのIPアドレスを入力する。

自分の場合
NASのローカルIPアドレス:27015(サーバーポート) と入力

知り合いを参加させる場合
myQNAPcloudで登録したDDNSのアドレス:27015 を入力
例)○○○.myqnapcloud.com:27015

SteamにARKサーバーを登録する
SteamにARKサーバーを登録する

これで「接続」を選択すると、ARKが立ち上がり、見慣れたセッション選択画面になるはずだ。自宅のNASにアクセスしているだけなので、恐ろしくPING応答が早い。

ARKのセッション画面
ARKのセッション画面

ゲーム設定に関して

以下のファイルを編集する。

\\NASのIPアドレス\Container\container-station-data\lib\docker\volumes\コンテナのボリューム名_data \GameUserSettings.ini

編集方法は「ARK & GameUserSettings.ini & 設定」で検索すればたくさんヒットする。例えばARK公式Wikiの日本語翻訳版はお勧めだ。

Server Configuration/ja

編集した後はContainerStationでARKコンテナの再起動をお忘れなく。

あとがき

ARKサーバーのメモリリソースが大きく、8GBのTS-251+でもメモリ使用率80%を超えてしまった。

精神衛生上よろしくないのと、場合によってはメモリスワップを起こす可能性が高いので、結局お金を掛けてNASのメモリを16GBに交換した。

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